ベストフレンドの出張買取でたくさん見てきたお宅の中で、きちんと整理されて整然とした部屋は今までありませんでした。大多数の家はモノであふれかえています。
特に70代以上の親世代は、戦争を挟んだ窮乏生活を経験している方もいらっしゃるので、とにかく「もったいない」「何かに使えるかも」とモノを大切にし、むげには捨てられません。
そんな、片づけられない両親「片づける」という気持ちを前に向けさせるためには、まず、使えると思って取っておいたけどこの3年間一度も使わなかったもの何十年もの間処分できなかった置物など、それらをどこかで行かせる場所がないかを考えご提案するのも私たちベストフレンドの役割だと心得ています。
「自分のもちものがどこかで役立つ」「誰かが大切にしてくれる」と思えば、親世代の心はほぐれていきます。
それまでは全くその気にならなかった親たちも、それをきっかけに“片づけ心”が動く場合があります。
Sさん(78歳)のお宅の事です。2年前にご主人が亡くなられてから、軽いうつ病状態になり、部屋を片付けなくなっていたとのこと。亡くなったご主人のものはほぼそのままになっていました。
出張仕分けへのご依頼はSさんの娘さんからでした。見積もりに伺った際、Sさんの心は全く閉ざされていました。しかもはなしかけてもなかなか編子が返ってこない。私たちベストフレンドでは、ご依頼主とお伺いしたお宅の方、双方の同意がなければ作業に入ることはできません。「片づけなくてもこのままがいいんだ」と思われているうちはただお話を伺っているだけになります。
会話の中の言葉で態度が変わる。
Sさんの場合はしばらくして、ベランダにずらりと並んだ植物にスタッフが気づき「これ、すごく素敵ですよね」と声をかけたことがきっかけとなり、丹精込めて世話した草木はわが子も同然。ここまで育てるにはどれぐらい苦労をしたとか、ガーデニングを始められたきっかけなどを伺っていくうちに、何かをきっかけに難く閉ざされていたかたくなな心もほぐれ、こちらの言葉を聞いてもらえるようになっていきました。
Sさんの場合はベランダの草木の話題をきっかけに、整理に前向きになられたようで、「これも捨てていいわ」「これも使わないから捨てちゃいましょう」など言葉のキャッチボールができるようになり、それから仕分け作業はどんどん効率的に進んでいきました。
とにかく最初はあくまで「減らす」。そして徐々に「捨てる」です。
あなたの街のベストフレンド・古美術昇華堂では、お客様から買い取らせていただいた商品はすべて別の大切にお使いいただける方へとしっかりと橋渡しさせていただいています。